語学留学の前記事「国内で学習するメリットとデメリット」と連動した記事です。
今記事では、筆者も体験した海外での英語学習について書いていきたいと思います。
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前記事の最初と全く同じことを書きますがw
「国内にいても有名なこの本とこの講師についてるから大丈夫」とか「海外に留学したから勝手に英語がすげー上達した」なんて甘い話はありません。
良い教材・良い講師に出会っても、ご自身のモチベーション管理が出来ない方は上達しませんし、海外に行って自動的に英語能力が上がるなんて夢物語です。教材・素材も、講師も、ロケーションも。全てツールでしかないですから。ツールを活用してご自身の英語力の今を知り、課題を掲げ、クリアしていく術を見つけていく。全ては自分次第。これは忘れないでください。英語の勉強に限りませんけどね。
そして、英語もツールの一つにすぎません。ツールの使い方を違うツールを利用して学ぶということ。そして、そのツールを今度は自分がどう活用するのか、ということをぼんやりとでもいいので描きつつ学習して頂ければいいかな、と思います。
海外で英語を学ぶ意味
海外留学に懐疑的な方も中にはいらっしゃるでしょう。かくいう自分もその一人でした。日本の普段の生活で使ってるとなおさら。「使えてるし、ええんちゃうの」ってね。じゃあどういう方が留学に向いてるんでしょう。

例えば、将来的に英語を使って専門的な仕事をしたい方。こういう方は国内志望でも海外赴任志望でも行っておいて損はないでしょう。ここで大事なのが「専門的な」という点。どういう分野に就きたいのかということです。筆者の場合は、音楽の仕事をしていくうえで、音楽用語は勿論、専門用語以外の日常会話を身につけて同業者とフルにコミュニケーションしたい!という目的がありました。
単に英語を使う仕事っていっぱいありますし、収入もピンキリ。もっと言うと、英語ができるだけなら別に大した仕事は得られません。日本での英語教師・講師が関の山。もちろん、素晴らしい講師の方も多いですし、英語が母国語でない日本ではこれから先も多くの需要があるんですけどね。
例えば、筆者が関わっている音楽の世界では、音で会話すれば十分と思ってらっしゃる方も多いです。筆者はそれは違うと思ってます。単に音楽でセッションしたり単発でレコーディングしたりするならそれで十分ですが、ビジネスとして関わる時に片言で進めていくというのは、はっきり言って話が先に進まないだけです。これ、他のお仕事だと当たり前のことでしょ?案外それでチャンスを逃している方は多いです。
ですので、「◯◯がしたい、◯◯で働きたい」よりももう一歩進んだ目標・目的を描いて留学される方は、大きな成果を持ち帰ることが出来ると思います。
それでは、実際にメリットとデメリットを見ていきましょう。
否が応でも英語をしゃべらないといけない場面だらけ【メリット】

当たり前の話ですが、語学学校エージェンシー以外では9割英語で言わなきゃ通じません。買い物にしても、バスや電車でちょっと聞きたい時も、電化製品等が壊れた時も。半ばスパルタ的な感じでどんどん使う・伝える場面がやってきます。最初の方はちょっと感動しますw
留学中にそういう場面に出会った際、最初から上手く伝えられるのはごくわずかの方でしょう。とっさのアウトプットって日本語でもたまに戸惑いますし。そういう時、実際に話した場面をその場ででも、家に帰ってからでも、自分の中で復習する癖をつけるといいと思います。あの時は単語だけだったから今度は文を組み立てられるようにしよう、など。
単に過ごしているだけで上手く英語が話せるようにはなりません。語学学校以外でも、至るところに一瞬一瞬機会はあるので、それらをいかに有効に使えるかというのは留学のキーとなるでしょう。
類義語や言い換えがスムーズに出来る【メリット】

日常生活で、例えばルームメイトや友人と、あるいは語学学校で生徒や先生に話している時なんかは、何かしら通じない時も多いんです。そういう時に言い換えは本当によくやります。「これで通じなかったなー。じゃあ、もう少し順を追って」「別の言い方で言うとなると…」って感じで。そこでルームメイトが「ああ、コレコレってことね!」ってやり取りが生まれる。そうすることで、類義語がどんどん身につきます。SynonymsやらParaphrasesってやつですね。これ、特にTOEFLやIELTSでは何気に役に立ちます。
机に向かってとか、語学学校の授業でそれらを覚えるのもアリですが、同じ覚えるにも日常生活でそれが知らず知らずのうちにできちゃうというのも留学の強み。英語が話せるルームメイトや友人を作れば、より身につきます。
これ、日常的に英語→英語の変換を無意識にしているから出来ることなんですよね。英語的な表現を身につけるのに英語から英語への変換は必須と言えますし、慣れてくると日本語にわざわざ変換する必要もないので、とても便利です。
言語の「阿吽」がそこらじゅうに転がってる【メリット】

英語の勉強の教材で”umm…””let see…”などの間が邪魔だと思いませんでした?意味ないやん、って。
こういう意味のないと見える言い回しは、海外で実際に何千回と見たり、実際に使ったりすることになります。「こういう時はこうやって間を持たせるのか」「こう言いたい時はこう繋げる言葉を使うと良いのか」と徐々にわかってくるし、意識していると自分でも自然に間のつなぎが出来るようになります。
あと、こう聞かれたらこう答えるというパターンも、日本語と同じように幾つもあるんですが、学校での学習だけでなく、日常生活で使う機会が転がっているのは、これ以上ないアドバンテージかも知れません。
生活習慣や信仰の違いを通じて自分の国のことも理解できるようになる【メリット】

ウマの合うネイティブの友人が見つかれば、おのずと自分の国や地元の話になります。日本で生活した人なら分かることも、実際に来たことがない人には、どうしてそんな習慣があるのかよく分からないこともあります。「それが習慣だからねー」で終わるのではなく、一歩踏み込んで「昔こういう出来事があって、これがきっかけなんだよ」などと説明してあげるととても相手は喜ぶと思います。
そう。違う生活習慣と我々の生活習慣とを比較して説明するってことは、自分たちの国の生活習慣や歴史の再確認ができる機会になるんですね。海外志向が強い方も「案外日本もやるやん」って思い直すかも。
筆者は、宗教についての国あるいは人によっての考え方の違いに触れられたのは、大きな衝撃でもあり収穫でした。カナダではクリスチャンが圧倒的に多いですが、移民も多い国なので、様々な宗教や信仰に寛容です。例えば、人が亡くなった際にうちの実家ではこういう事をするよ、という話題も、相手にとっては衝撃みたいでした。
同じ食べ物や飲み物に関しても違いはありますね。例えば緑茶。日本人はそのまま飲むのが一般的ですね。海外ではだいたい砂糖を入れます。種類を問わず、お茶には砂糖っていうのが一般的なんですね。実際、砂糖入りの緑茶は缶ジュース扱いで売ってますw
こうやってガイドブックにはあまり載っていない詳細な情報を得られるのは、留学の強みの一つです。
とにかくお金がかかる【デメリット】

最大の問題でありこれにほぼ集約されると言ってもいいでしょう。
ルームシェアでもホームステイでも、一人で住むよりは断然安上がりではありますが、それでも生活費というのは否が応でもかかります。語学学校の学費もそうですし。
ワーホリで行くにしても、特に滞在初期にワーホリビザでバイトできる所は最低賃金を下回るくらいの所しかないのが現状です。ワーホリで留学される殆どの方がこういう所でしかバイト出来なかったという話はよく聞きますし、バイトしてても赤字というのはもはや当たり前。
まれに語学学校などで何らかのDiplomaを取って、それを武器に良いキャリアを得て、そのまま就労ビザで働くという方がいらっしゃいますが、一年でそこまで達する方は本当にモチベーション管理が上手い少数の方です。
事件に巻き込まれる可能性も少なからずある【デメリット】

2016年にバンクーバーで起こった事件を覚えておられる方もいらっしゃるでしょう。気をつけているつもりでも、やはり外国。ああいった事件に巻き込まれる確率はゼロじゃないです。人となりを適切に見極められる能力というのは、性善説だけで身につくものではありません。この人はヤバいなと思ったら、さっと身を引く能力というのも、海外で生活するには必要だと思います。
よく現地ガイドに書いてある「このストリートとこのストリートは危ないから近づくな」というのも、一つのガイドではありますが、勿論それ以外の場所でも事件が起こる時は起こります。
日本人が多い地域に住むとしても、あくまでそこは海外ということを認識して生活する必要があります。
日本人グループの誘惑【デメリット】
どの国でも日本人留学生というのはいらっしゃいます。留学当初はやはり心強いです。ただ、数か月経って語学学校にも慣れて環境にも適応してきたら、特にその方々と頻繁に遊びに行く、行動を共にする必要はないでしょう。
筆者が見た日本人グループの特徴は、やはりというか日本語でしか話さないこと。
対して、他の国からの留学生で同じように同国グループで行動している人は、8割がた英語で話してます。「だって海外に勉強しに来てるのに母国語話したってしょうがないでしょ」というセリフは何回も耳にして、筆者が感銘を受けたことでもあります。少々まずい表現があっても、英語を日常的に話すのとそうでないのには大きな差があります。
日本人にはそういう方は少ないのもあって、母国語の誘惑にどう立ち向かうかで留学の成果が左右されるというのは決して大げさな話ではありません。日本人グループでつるむのは、日本でも出来ること。
まとめ
ということで、今回は筆者も経験した海外への語学留学について書いてみました。
一昔前なら、デメリットの部分に「親にすぐ会えない」とか「日本の友人とコミュニケーションがすぐ取れない」という項目もありましたが、これを執筆しているのは2010年代です。SkypeやLINE、その他のSNSもありますし、特に留学しようとしている方は携帯キャリア依存のメアドを使ってる方も少ないでしょう。親御さんを呼ぶのに最適な安い航空券も意外に多いですので、今となっては別にデメリットでもないかな、と。
それに、わざわざ海外で学ばなくてもYoutubeなどでワンポイント英会話等のチャンネルも多くあったり、オンライン英会話、英会話スクールもこれまでになく多く選択肢があります。
しかし、一方で日本で学習していてよくあるのが、そういう機会で見たら見たっきり、英会話教室で話したら話したっきりで学習したつもりになっていること。
海外留学では、周りすべてのものがその国の言語で書いてあるし、否が応でもアウトプットしないとコミュニケーション出来ないので、日本にいるよりは絶対的に身に付きやすい環境ではあります。
実際にこれから行かれる、行く予定がある方は、お金も時間もかけて行く留学ですから、払った対価以上のものを持ち帰ってください。気を張りすぎる必要はないですが、ぼんやりと目標もなく過ごしていると一瞬で帰国の時期がやってきます。日本語でのコミュニケーションはほどほどに、現地の言語や文化をこれでもかってくらい吸収しちゃってください。
って、あれ?まだ携帯やPCを日本語で使ってるんですか?
Set their language in ENGLISH first!
Tetsuya Tanaka
記事を気に入って頂けた方は、上にあるいいねボタンを押して頂けると嬉しいです。プロフィール:レコーディングディレクター、作編曲家、トラックメーカーのかたわら、レースシミュレーター・フライトシミュレーターのWeb管理、日英翻訳、フライトシミュレーター実況配信をやっています。滋賀出身千葉在住。WindowsとStudioOne使い / Spotify他各音楽配信サービスでアルバム、シングル配信中です。僕のセレクトしたプレイリストも随時更新中してます。 => Tetsuya Tanaka on Spotify

