前記事で最近聴いてる曲を挙げた。
ので、今回の記事は、昨年買って良かったものをいくつか雑多に挙げてみよう。
ずっと関わってたプロジェクトが落ち着いた11月、自分自身の音楽の歴史を少し詳細に振り返る機会があった。その時に買った二枚の映像作品。
まず、TMNの1994年の終了ライブ。
特に高校時代に数多くコピーして、文化祭のステージでも演奏したTMN(TM Network)の曲たち。中でも、この終了ライブは、発売後から長年愛聴していた。当時持っていたのはVHS。それがあるので、DVDはどうしても手が伸びなかったんだけど、何十年を経て改めてふと「今のうちに買っておこう」ってなったので購入。
というのも、1994年の発売当初にはカットされていた場面がいくつも入っているとのことだったし、実際聴いてみると、どうしても当時、一部場面でカットせざるを得なかったマイクの周波数がごっそり消えているのがなくなって、音に関しても、正式版になるに伴って再ミックスされたっぽい。とてもスッキリしたミックスで、こういうことだったのか、と納得できた。
そして、2024年に2日間限定で行われたCOMPLEXのリユニオンライブ。能登半島地震のチャリティーのためのものだ。
2011年の東日本の際もリユニオンしていたのだが、その時は映像作品を買おうと思ったらもう予約期間が終わっていた。なので、今回のリユニオンは注意深く発売時期をチェックして、無事購入。音源のみのCD2枚組も同梱されていた。
COMPLEXをはじめ、特に布袋さんの作品にはめちゃくちゃ大きな影響を受けてるし、やはり中高時代に数多くコピーして、人前でカバーした曲もある。今もドライブでよく聴いてもいる。
で、昨年のお二人のステージは、言うなれば「COMPLEXの完成形」。
COMPLEXは、わずか2年の活動後、1990年に終了し、その後はそれぞれソロとして現在も活躍中であるのは周知の通り。
その1990年の解散ライブでは、殆ど顔を合わさなかった二人だったのに対して、今回のは、2011年以上に二人で並んでパフォーマンスする、それぞれのパフォーマンスに呼応する場面が数多く見られたので、見ていて単純にめちゃくちゃ楽しかった。
また、円熟味を増した二人が演奏する、ステージ中盤のセットリストのミドルテンポの楽曲やバラードは、今の二人でしかなし得ない深みが大幅に増し、そして、二人ともが各曲のBPMに対して余裕を持ってプレイされているのが心地よく、この映像作品のベストパートだった。
布袋さんのギターは、今も昔もフェイバリットなのは言うまでもないのだが、個人的に感銘を受けたのが吉川さんのボーカルとギターだ。
まずギターが年々良くなってる。ギタリストのギターになってる。音作りに関しても、きっちり研究されてるんだなーと、二重で驚いた。
そして、ボーカルは円熟の極み。今が一番いい。危なげがなさすぎるし、びっくりしたのが、ハイトーンかつロングトーンの伸びが今のほうが断然良いのだ。当然、ボーカルの表現力が大幅に増した吉川さんに、布袋さんの緻密な楽曲とプレイが加わって良くないわけがない。でもって、布袋さんも年々無理のない発声方法に変化しているので、コーラスがとても心地良い。
なので、「ああ、これは完成形なんだ」と素直に感じた。
学生時代に深く掘り下げた二組のアーティストが、今も活躍してくれているのは何より励みになる。
同時に、10代の頃には見えなかった部分が数多く見えたり、発見できたりした。他ならぬこの何十年の音楽を基盤にした経験があったからこそだろう。もっと言うと、これは経験を重ねた今だからこそ見るべきものだったのかな、とさえ思う。
郷愁でもあるんだけど、それ以上に青春の答え合わせという感覚が強い。
ともあれ、二組のアーティストそれぞれに長く活動していって欲しいな、と願うばかりだ。
Tetsuya Tanaka

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