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少し前に上の記事でKISSのメンバーが仰っていた事がちょっとバズってたのもあって、僕も思ったことをちょこっと書いておきますかね。

ぶっちゃけ自分のキャリアのはじめ頃は、彼が仰るように1曲で使い捨てなんて当たり前になってました。そこからスタートしているのもあって、あまり目くじら立ててどうこう言うつもりもないんですよね。だって、こうなった原因の一つは明確。

音楽を知ってる人が少なくなったから。

音楽の歴史にしても、音の混ぜ方にしても、浅く広くすら知らない人が増えてきた印象です。プレイヤーにもエンジニアにも、はたまたプロモーターや代理店にも。最低限のやり方さえ知っていればある程度は形になって稼げる、或いは、もう既に方法論が確立してあるという中で育ってきた方も多く、そうなるとある種コンビニ的にミュージシャンやパフォーマーを使うとコストも抑えられていいんじゃない?ってな発想になるんですね。まあ、そうなっちゃうのはある程度は致し方ないかな、とは思います。

一方で、長く音楽で仕事をしている方というのはどこか一部分が秀でているスペシャリストである確率が高いのも事実。そういう方の音はジャンルも何もかも飛び越えて理屈抜きで気持ちいい。そういう方々は、新人ミュージシャンがいい音を出し始める時期を分かってらっしゃる。だから少し長期契約で雇うというのが昔の流れでした。

こういうある種のリスクを負うことは、自分がいい音を知ってないと出来ないことです。いい音を知らない方には到底無理ですから、やはりコンビニ的に使っちゃうことになる。

あと、いわゆる実力はそこそこだけど世渡り上手な方も長くいらっしゃいます。好き嫌いは分かれますが、これもスキルです。ただ、そういった方は最低限必要なものがどこかしらが決定的に欠けていて、それを自分で補おうとするあまり自滅してフェードアウトされる方と、きっちり補ってくれる人を見つけて変わらず世渡り上手にやっていく方に分かれます。

こういうのは音楽に限らずですね。何かを長く続けていられるのには何か訳がある。これからも自分の持ち味をきっちりと認識して磨いていきたいと思います。

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