そんな所でやらんでもええでしょ

読み返して語弊があった点を修正してまとめた。

ライブハウスはミュージシャンを育てない。なぜなら！：うがやの「毒にも薬にもなる話」：So-netブログ

僕は単純に「そんなん言うならノルマ制じゃない所でやれば？」と思うけど。選択肢はいっぱいあるわけだし、ノルマ制が文化を潰してるって論調は違うんじゃないかな。

これ、結構前に読んだものだけど、関西で今活動しているミュージシャンを中心に出回っているということは、未だに関西はそういう箱が多いということなのかもなぁ。ノルマ制の箱も選択肢に入ってるミュージシャンもいらっしゃるだろうし、昔は関西のそういう箱で幾つかやらせてもらった。

僕は関西時代、サポートミュージシャンとして演奏する機会が多かった。全部仕事としてやらせてもらっていたのもあって、こういう話題に関してはメインアクトの方々とは少し観点が違うし、自分が正しいなんて言うつもりはないけど、以下は僕の正直な気持ち。

ブッキングノルマを課す関西の箱って、ご飯とお酒が美味しくない。だからなのかな、ノルマ制でやってるの。音の仕上げ方はそれぞれ特徴があって、自分の好みに合う人や箱でやればいいだけだし、そこまで酷い所はない。しかしご飯とお酒は酷い所が多すぎ。自分が見た中では、関東と九州にはご飯の美味しいライブスポットが結構な数あるし、やっぱりそういう所はミュージシャンにも人気がある。勿論そういう場所はノルマ制なんてやってないし、そんなに有名な箱でもないけど常連さんは多い。

もっとも、ご飯の美味しさが全てじゃないし、素晴らしい箱も関西には多いんだけども、どう見ても音以外は手を抜いてるよねって所は目に余るほどあるのは見ていて気持よくない。自分がライブ主体で活動しなくなっている現在、自分がお客さんとして行く時に、そういう音以外で手抜きが目立つ所に行きたくない。関西のライブスポットで活動してた時だって「マック寄って食べて来ました」と仰るお客さんとか、出演者ですら「じゃあご飯食べに行ってきます」とか。あれ？それってここで出してくれるもんじゃないの？営業時間外はやらないの？あらあら。まあ営業時間内でもレンジでチンとかレトルトで700円くらい取るとかザラにあったから、ホントにそれは勿体無い。それでもライブを見れればいいって方も中にはいらっしゃるけど、そういう方々の足元を見てる気がして、なんだかなぁ、って。

イラストレーターでありバンドS▲ILSのリーダーでもある中村佑介さんが、近いことを仰っていた。FBの元ポストより。

バンドのライブをしていてひとつだけ思うのは、キッチンがついているのに烏龍茶はペットボトル丸出しでその場でそそぐ、料理がチンだけのとこが多いこと。これはスタッフとして雇った以上はお客さんに対するプロ意識にかける行為だと思っています。他の仕事があるのはわかっているので、せめて隠して欲しいなぁと。それくらいかなぁ。

食事以外の問題もきっちり直視してらっしゃるし、好きなエントリだ。

こういうことってすごく大事じゃないかなぁ。

なぜか今このタイミングでこの記事が関西を中心におもむろにシェアされ始めて、僕が危惧していることがある。シェアしただけで動かないことだ。バイタリティのある関西の他のミュージシャンが、じゃあ僕らの地域に合った解決策はどういう形がいいんだろう、など先の具体案を考えて形にしようと動いていないこと。動くって大事。すごいエネルギーがいるし、仮にそれがあまり良くない結果として出てくる場合もある。でも、考えていただけでは全く見えなかったことが見えてくるし、それが突破口になることもある。ノルマ制云々の議論をするくらいなら、そういう場所でやらなきゃいいだけ。箱側は箱側の都合でそうしてるし、経営する側から見れば、それはそれでアリだとは思う。

難しい問題だとは思うけど、一方で、何年も構図が変わらないのは相応の理由がある。とりわけ関西に関しては、ご飯が美味しい所なんだから、ライブスポットもそういう部分を大事にしてあげてよ。今は特にそういう付加価値もないと厳しいよ。

2008年を最後に関西を去って以降、ライブをメインにしていないので詳しく知らないけど、1年ほど前に聞いた話の中にこんなのがある。活動拠点が関東のミュージシャンがツアーをする時、関西を回らずに九州や四国を回る傾向が増えてきたとのこと。この先どうなるんだろうな。関西出身者としては、いい方向に向かって欲しいのは山々ではあるが…。