長いので、続きを読みたい方はどうぞ。
意外と早めに起床する。今日は車でドライヴや~…と、障子をガラっと勢いよく開ける。
雪。
え?雪? ![]()
雪がボタボタ。 ![]()
朝飯を貪りながら、久々の家族の会話を楽しむ。「この冬の初雪をこんなタイミングで迎えるとは」まあ、いい。今日は雪道をドライヴするか。
と。ここで気付く。
自家用車のスタッドレスを履いていない。そうだ。これは由々しき事態だ。急いで父親と共に、レンチでクルクル→もう少しジャッキアップ→交換の作業を繰り返す。作業が進むと共に、降雪もだんだん強くなってくる。寒すぎる…と、ふと思い出した。
「去年もこんなんやったような・・・」
ビンゴだった。ここの親子は毎年雪が降ってからタイヤを換えるという無計画バンザイな親子だった。しかも作業が終わる頃には雪は弱まるという、何ともシオシオな状況。
まあ何はともあれ完了だ。
母親が畑に用事があるというので車で送迎。今年の雪道初ドライヴ。そこで思わぬ試練に出くわすこととなる。
道が見えない。
そう。
雪が積もったばかりで一面銀世界なのだ。
加えて田舎バンザイな道ばかりなので、そうそう車が通ることもない。
ましてやこの年末という時期、リビングでこたつにみかん((古い?))が定石であろう。
そんな難易度Aクラスな出だしなので抑え目で走行。
ここがラリーヲタの見せ所。
いかに精神を抑えて無駄なく運転するか。
畑に行く道は、都会なら明らかに一方通行な細い道。一足早く2005年の開幕戦、モンテカルロラリーだ。ライン取りが難しい。ちょっとラインを無理すれば溝にドボンだ。ここで一つの謎が解明する。
「だから新雪の道は田んぼにはまってたり、電信柱にぶつかってたりする車が多いのか。」
道が見えないからコースアウトしやすい。
また一つ勉強になった。
送迎が終わり、昼が過ぎる。夕方から地元の友人4人で忘年会をする予定なので、それまで頼まれていた買い物などをし、時間を潰す。
~第二章~
そして夕方。僕ら4人は鍋をするつもりである。自分たちで材料などを買出しに。
うち、鍋を持ってきてくれる一人は家の手伝いで遅れるというので、僕ら3人はその時間に合わせて買い物をする。色々と物色。結果、キムチモツ鍋をすることに。ちゃんと4人分のだしを買って、材料やらも買って、と。僕ら4人はそこまで酒は飲まないし、夜中に出かける予定だったので、水分はウーロン茶。無事、レジにて会計。車でツレ宅(鍋会場)まで戻る。
下ネタ満開の車内は、まさに男の花園。間違っても窓を全開にして聞ける会話ではない。そしてちょうど約束の時間より少し前に到着。
待つ。鍋を持ってくる友人を待つ。
・・・
来ない。
・・・
モー娘。萌え~!脱げ~!
野郎3人の遠吠え。
・・・
あゆ、かわい~。萌え萌え~!
野郎3人の叫び。
・・・
来ない。
友人の一人がメールすると、今、用事が終わったそうだ。もうすぐだ。
・・・
しかし遅い。萌えパワーを使い果たした僕らはグッタリとその場に力尽き…ようとするその瞬間!
「ガチャリ」
玄関の扉が開く。
鍋の持ち主の到着だ。部屋のドアを開けたそいつの第一声は
「えー」。
何しろ僕ら3人の萌えパワーはもう底をつきかけているのだ。
しかし、鍋が来たならもう怖いものはない。あらかじめ切っておいた野菜や具を蘇ってきた萌えパワーで準備する。
最初は様子見で抑え目で入れる。しばし待つ。ふたを開ける。
「うまそ~」
うまかった。かなり。野郎4人の料理にしては上出来だ。だしもうまく合っている。野菜も旨い。肉団子は…もうちょっとか。マロニーも旨~い。
お、そうそう。肉、肉。いいね~。鍋だね~。僕ら腹ペコ探検隊はガツガツと貪る。
と、水分が少なくなってきたことに気付き、野菜を入れる。これで一安心。
また具を入れる。うまい。うまい。うめ~~~~。幸せやね~。
と、やはり水分が少ない。野菜も残り少ない。あまり気が進まないが水を足す。
何とかしのいだ。よし、食うぞ~。んまんま。
と、やはり水分が少ない。何故にこんなに少ないのだ。野郎4人は知恵をふりしぼった。残りの肉団子にがっつきながら。
マロニー。
そうだ。マロニーだ。こいつが水を食っているのだ。しかもこのマロニー、一人が真っ先に売り場まで行って、一番初めにかごに入れた代物だった。
僕らはそいつを見た。そいつはうつむいた。うつむいた先には、この先この鍋に入ることのないであろう、まだ5分の3ほど残ったマロニー。どことなくパッケージの女の子も寂しげだ。
しかしそんな事はどうだっていい。水分がないのだ。豆腐はもちろん、水餃子もちゃんと水切りをしないともたないくらいに水分がないのだ。どうしてくれる、マロニー野郎。
マロニー野郎は開き直って肉団子の残り一つを口に入れた。まあいい。
しかし水分がない。そして具を拾い上げる毎に、にっくきマロニーが箸に絡む。
そして、残りの肉を入れ、ひっくり返した瞬間、
「ジュー」
焼き肉の音がした。川辺のバーベキューのにおいがした。
そうか。これは焼き肉だっ・・・
違う違う。鍋だったのだ。
しかし、キムチだしの焼き肉に早変わりしただけだ。なーんだ。そーゆーことかー
っておい。
まあ、いい。旨かったから良いのだ。鍋と焼き肉を一度に味わえるなど、人生の中でそうそうないのだから。
ガッツリと満腹になった4人は、ちょうど始まったK-1の画面に夢中になっていった。
~第三章~
と、ここで重要なことに気付く。
「お茶がない。」
水分を失われていたのは鍋だけではなかった。B’zの”KARA-KARA”が脳内BGMとして流れ始める。
ジャンケンをして負けた、さっきのマロニー野郎がお茶を買いに行く。
しかし、僕らの中で一番の目玉であるボビー戦が間近に迫る。これは間に合うか。僕ら3人は間に合わないことを予測する。いくら何でもあの距離では…
とその時!
玄関のドアが勢いよく開くのを聞く。
「早っ!」
・・・
K-1に夢中な野郎4人組。ボビーの健闘に一同泣きそうになる。でもお互いクールを装い戦評をする。
しかし実は、4人とも格闘技に疎い。
なので、チャンネルサーフを始める。
裏ではPRIDE。K-1とPRIDEはどう違うのかについて明確に答えられるものは誰一人としていない。諦めて紅白や他の番組を見る。
結果としてK-1が7割、紅白が3割の確立で見ることになった。熱い試合もあったので良しとしよう。
そして、曙戦が始まろうとする時、僕たちは出かけることにする。曙氏には悪いが、負けるのは目に見えている。時間は23:19。
外に出ると、案の定、雪が凍り始めている。協議の結果、スタッドレスを履いている2台のうちの僕の車で出かけることに。大晦日までやっていそうなボーリング場に赴く。
路面の所々が凍っている。一つ間違えば大惨事。僕は慎重にギア、スロットルを調整し、丁寧にステアリングをまわす。
そして車内では、恒例となった男の花園・下ネタ大博覧会が開幕していた。慎重な運転と、欲望むき出しな会話。見事に対をなした空気が支配する車は着々と目的地へ近付く。
途中でコンビニに寄り軽食と水分を購入する。
そして再び目的地へ。街中まで来ると雪も目立たなく、ある程度安心して走れる。大博覧会は大盛況のまま、無事、目的地へ着いた。
~第四章~
駐車をし、上の受付へ。アミューズメントスポットなので、ボーリングの他にもゲームセンター、卓球など、色々なアトラクションがある。
ボーリング場は人がごった返していた。ある程度予想はしていたことだが、予想を上回っていた。
僕らはまず、トイレに向かった。4人全員が尿意を感じていたのだ。
するとそこで思いもよらぬ出来事が起こる。
店員がマイクを持ち、ラウドボイスで何かをアナウンスする。
最初は何か聞き取れないままトイレの中へ。
少しすると、それが何を意味するかを悟った。
カウントダウンだ。
雪道を抑えて走っていたら、いつの間にか時間が経っていたのだ。
しかも気付いた時には8秒前。
僕は急いだ。
急いで社会の窓を下ろし、衣服を上げ、放尿スペースを作る。準備完了。
「ジャ~~~」
放尿と共にカウントダウンはゼロになる。タイミングはバッチリだった。
今年はいい年になりそうだ。
っておい。
4人のいずれにも新年の瞬間をトイレの中で迎えると言う経験をした者はいなかった。そうだ。そうそう経験できるものではない。車の中というシチュエーションはあっても、トイレの中というのは極めて稀である。これはまた新年早々貴重な体験をした。
っておい。
まあ、この先、誰かが結婚などをしたなら、4人で来られることも少なくなるだろうから、面白い経験であったことは間違いない。
そうこうしているうちにボーリングの待ち時間が終わる。いよいよ本番だ。胸が高鳴る。ここにいる4人はこの約2年、ボーリングをしていない。熱戦が期待できる。
ボールを選び、ゲームを始める。
始めのゲームは、まず、ウォームアップ程度に全員が感触を確かめる。
そして2ゲーム目。飲み物をかける。勿論4位のものが1位におごる。中位は何もなし。こうなってくると4人とも気合いが違う。いくら安いとはいえ、誰が他人におごってやるものか。しかし、気合いが空回りするものも当然いる。紆余曲折を経て、ゲームは終わる。僕は結局中位に終わる。一安心。
第3ゲーム。
そういえば、待っている間にその辺を物色していた時、
悩ましげな絵が描いてある18禁フィギアのガチャガチャがあった。
アレにしよう。
これはキツい。
人が少しは少なくなったとはいえ、恥ずかしいスペースにある500円とか300円とかするアダルトガチャガチャに誰も自分の資金を投じたくはない。俄然気合いが入る。
そして、このあたりから個々の調子のバイオリズムに差が生じ始める。
ある者は調子を掴み、ストライク、スペアをそつなく出していく。またある者は、残り2本や1本でスペアを逃したりともどかしい展開。
結果、上位2名と下位2名の戦いとなる。僕は…
下位の方だった。
誰があんなガチャガチャを回すかという静かな闘志。無論向こうもそうだ。火花を散らす。最終フレーム。僕がスペアを取れば確実に勝てる状況。しかし!
残り2本で惜しくもスペアを逃す。
こうなると祈るしかない。どうにか風が吹くように祈りを捧げる。恐らく厄年の人たちは今頃同じぐらい強い祈りを神社で捧げているだろう…と思いつつ、向こうの番。さあ、どうだ。
一本目は6本。このままいくと勝てる!来い!
~第五章~
二本目。
・・・・・
・・・・
スペア。
僕の心に風が吹いた。
仕方なく、恥ずかしいスペースにみんなで歩を進める。
500円はいくら何でも…ということで、300円のほうに硬貨を入れる。
一枚、二枚、と数える僕はいつになく覇気がないと言われた。
うるさい。で、三枚、と。
ガチャガチャ。ストン。
子どもの頃には味わったことのないアンニュイな気持ちで、先のゲーム1位の友人がふたを開ける。
小さなフィギアだ。なんだ、こんなものか。こんなに小さいのか!なんだこれ。
なんでこんなものが300円もするんだ!!!
しかし。
友人の一人の忠告で、よく見ると、かなり精巧に作られていることを知る。
例えば、ヒップと足のつなぎ目のしわや、胸の凹凸の微妙な差、衣服のしわの寄り具合、また恥じらいの表情、まつげの一本一本、目の下の微妙な線の入れ方など。
さすがはMADE IN JAPANだ。
少し感心してしまった。間違ってもMADE IN CHINAやMADE IN MALAYSIAではこの精巧さは作れない。
日本人だからこそ分かるこの感覚。
なるほど。ゲームには負けたが、少し充実感はある。なぜだろう。
んなわけあるか。
実は、この罰ゲームは帰り際にやったのだ。
ゲームのテンションが落ちないように、と言う理由で。
しかし、18禁フィギア購入という羞恥を得た僕は、テンションが上がる筈もなく、次の最終ゲームも最下位。アーモンドクラッシュポッキーをおごることとなる。
まあ、これはおいしかったけど(一袋もらった)。
こうして様々な初体験を盛り込んだ、新春ボーリング大会は幕を閉じ、僕らは帰路に着こうと駐車場に向かう。
しかし、そこには・・・
~第六章~
ボーリングを終え、人もまばらなアミューズメントスポットを出る。
まあ、何はともあれ面白かったので良しとしよう。
日付はもう1月1日、午前3時半。
「が!」
雪だ。
きれい・・・外に配置された数々の照明にひらひらと舞う雪・・・
わぁ~
ぬ。
いやいや。
大雪である。
積もっているのである。
しかもワタシタチ、車である。車で来ているのだ。
その上、そのアミューズメントスポットに面しているのは、何を隠そうかの国道一号線。
一番積もりそうにない道路が、一面の銀世界と化している。
「あちゃー」
・・・
恐る恐る車を出してみる。
営業時間を過ぎたそのスポットには警備員の面影もなく、
わざと滑りやすくしているのか、と勘違いするエントランスを抜ける。セーフだ。
そして、一号線へ。
やはりどの車も35~40キロのスロー走行だ。
僕は来る時以上の繊細なスロットル操作で車を走らせる。
スキー場などへの道のりを除けば、皆、やはり一般道でここまでの雪道の運転の経験はないらしく、前や横を注意深く観察。いつになく緊張感がある。
こちらはと言えば、スタッドレスと車体の小さい車のおかげで、速度が遅い意外は普通の運転の感覚に近い。
しかし、所々でスライドするので油断は大敵である。
何と言うことだ。
早くも2005年開幕戦モンテに引き続き、数時間の間に、第二戦スウェディッシュまで味わってしまうとは。
![]()
しかし、慣れない雪道のうえ、何を隠そうワタクシ、かなり久々の運転なのだ。朝の運転や買い物に行ったのは短距離。しかし、これは片道40~50分の中距離。しかも街中ドライブ。そして雪。スロー走行のせいで恐らく帰りは60~70分はかかるであろう。
そのことを車内で伝えると、3人は一瞬ギョッとした。いや、した気がする。よそ見する暇などないのだ。しかし言葉が止まったので、そう解釈してもあながち間違ってはいないだろう。
しかし、程なく会話は再開し、少しずつ男の花園・下ネタ大博覧会が再び開催されようとしていた。一方ではこれまでにない緊張感の中、運転する俺。
もう一方では風俗アトラクションに夢中な3人。見事に対をなした空気が支配する空間は、ゆっくりながら確実に帰路をたどる。
夜中も夜中。凍る雪道の何が一番の敵かといえば、橋である。下から来る冷気のせいでほぼ確実に凍っているからである。橋を通るたびに緊張度を増す運転。しかし一方では大博覧会のメインイベントが開催。大きな橋ではやはり顔がこわばる。
「こわいー」ハイテンションで茶化して言う一人。
「うるさい」
冷静に俺。それどころではない。
「ふえ~ん」
野郎の泣き顔など知ったことか。
・・・
しばらくすると車内は落ち着きを取り戻す。僕も雪道の攻略法を見つけ、ある程度、スライドをコントロールするようになってきた。しかし静か過ぎる。隣の奴は興味津々で雪道を見つめているが、後ろの席の博覧会会場の支配人と副支配人がだまっている。
見ると寝ているのだ。
ぬ。
まあ、仕方がない。あれだけの死闘を繰り返したのだ。
しかも、支配人と副支配人は、ボーリングをする前に、ゲーセンでも死闘を繰り広げ、ボタンをバシバシ連打していた。その上にボーリングだ。疲れるのは無理もない。
かくいう僕も雪が降っていなければ眠気と共に運転していたかもしれない。そういう意味では雪に感謝だ。
見ると時計は四時半。僕らはさきほどの鍋会場(ツレ宅)に到着した。
そして、明日はなぜかUNOをやる約束をして別れた。
しかしこのUNOがまたもや死闘を繰り広げようとは・・・
(注)UNOの死闘も書こうと思ったのだが、あまりに過激な内容なのでやめときます。
とてもじゃないけど書けない。あと、個人の名誉にも関わるので。
t_tanaka
音楽家 / 編曲家 / Twitchストリーマー / フライトシマー。2001年よりプロの演奏家として関西を中心に活動。2008年より関東に本拠を移し、インターネットを使ったリモートでの音楽制作チームを結成し、以降は編曲家とチームマネジメントに特化した活動を続ける。







