【2016-12-06 初版】
【2017-07-23 追記】
先日、IELTSという英語の総合試験を受けました。英検やTOEICは有名ですが、IELTSをご存じの方は少ないかなと思います。簡単に言うと、総合英語力テストです。合否ではなく、TOEIC、TOEFLのようにスコアで実力が示されます。ですので、より上を目指して何度も挑戦できる試験でもあります。
他の総合英語力テストと同じく、就職や留学のベンチマークとして使われるテストでもあるのですが、IELTSは主にヨーロッパ圏、オセアニアでの就労ビザ取得、また、移住にも有効なポイントが稼げるというのも特徴です。
さて、筆者はGeneral Trainingモジュールを初めて受験して、総合点にあたるTotal Bandは5.5を獲得しました。
テストは4項目に分かれていて、それぞれ1.0から9.0までで採点、平均して繰り上げたスコアが上記となります。そして、4項目それぞれの点数は、
Listening 5.5
Reading 5.5
Writing 5.0
Speaking 6.5
という結果でした。英検で言うと準1級あたりにあたるらしいです。
個人的には、日本人がスコアを伸ばしにくいスピーキングで6点台を出せたのは結構驚きでした。
今回、筆者がとったIELTS対策は、全てオンラインで無料で手に入れられるもの(サンプル問題など)や、Youtubeに上がっているTipsならびにサンプル問題を数多くこなし、自分なりに弱点をまとめて記憶できるようにする、といったものです。受験料以外に一切お金を使ってません。そんな筆者が、実際に試験を受けて感じたことなどを、結果も踏まえて見ていきましょう。
それでは、4つのセクションを簡単に振り返ります。
目次
ToggleListening, Reading
この二つの問題パターンは、ほぼ予想通りでした。筆者が感じたのは、この二つの準備はオンラインにある無料のサンプル問題で事足りるということです。特に、海外の無料サンプル問題は、正確な自分の点数が知れる良いツールですね。それらで点数を稼げないセクションは改善の余地があるということ。
ということで、次回受ける機会があれば、とにかく数をこなして、共通して出てくるボキャブラリーを解析して臨めば6点台はいけるかな、と。筆者はリスニングが苦手なので、そこを落とさないように気をつけたいです。
Writing
実はまったく何も準備していませんでしたw
ただ、タスク2は絶対時間が足りないのが分かっていたので、タスク1をどれだけ短時間で効果的にスコアリングするかというのを重点的に攻めました。
筆者が受けたGeneralのタスク1は、大抵が日常生活で必ずあり得る場面でのエッセイ。友人への手紙、仕事場への苦情、電化製品の修理依頼などです。はっきりと伝えたいことを書いて、その後派生させれば大丈夫なんです。
ただ、やはりタスク2。日本語で言う起承転結には程遠かったです。これは次へのはっきりとした課題ができました。次回への課題は間違いなくこのセクション。
Speaking
自己採点は5.0-5.5かな、と思っていたら、まさかの6.5。全項目中最高点!
実は、各トピックに対してすごい簡潔に答えたのと、一つの具体的事例という感じのフォーマットで答えてしまって、ものの10分くらいで面接室からでてきましたw あと、uhhやらlet seeなどのつなぎが多く、答えを考えている途中各所にブランクがあったので、自信はなかったんですね。加えて、試験官がアメリカ人の方ということで、アメリカ英語特有の「攻めてくる」話し方に怯みましたwてっきりイギリス人の方相手に喋ると勝手に思っていたので。しかし、のちのちIELTSスピーキングで検索してみると、国によっては英語圏なのにインド人試験官だったりするみたいですし、一概にどの国の方が来るとは言えないでしょう。
スピーキングでとにかく気をつけたのは、同じ表現を使わないこと。Synonyms、Paraphrasesを有効活用しました。簡単なつなぎ言葉でも3パターンくらいあると心強いです。どのトピックでも、どうしてもさっき言ったことと同様のことを話さないといけない場面がくるので、その時に言い換えをするんです。2番めに気をつけたのは、easyやhotなどの簡単な言い回しは最低限にする。特にトピック3では、考えながら喋ることが前提ですので、どうしてもつなぎで簡単な言葉を使いがちですが、そこで使う表現を変えると意外とOK。喋ってるうちに考えがまとまって、具体例も挙げてトピック3を締められました。それが良かったのかなぁ。
逆にまずかったなぁっていうのはトピック2。カードトピックですね。時間内にまとまらなかった。これは改善の余地ありだな、と感じました。
なぜ30代後半で受験したか
筆者は30代後半なのですが、新しいキャリアを始めるための自己英語採点もかねて受験したのが一つの理由です。
以前から音楽のキャリアで日常的に使用していて、別のキャリアを模索した時、特に抵抗なく活かせると思った分野の一つが英語だったんです。英語力の証明としてスコアが欲しいということで、3ヶ月ほどの対策を経て受験しました。
それに、IELTSの特徴として、社会人向けモジュールのGeneral Trainingがあるのも大きな理由です。IELTSはAcademicとGeneral Trainingに分かれていて、前者は大学生以上向け、後者は社会人向けのテストになります。前者は欧米の大学編入の際に有効なもので、後者は就職に有効なものなんですね。
筆者は2012年にカナダに語学留学経験があります。そこで初めてと言っていいほど、教科書では習わないIntermediateからHigh Advancedな日常的な英語にどっぷり浸かりました。帰国後、音楽キャリアでその経験を活かし、良いポジションを得ることも出来ました。
その留学経験からみても、どちらのモジュールも普段英語圏でたくさん目にする表現だらけという特徴があります。いわゆる試験英語的な表現は少なく、実際に存在する論文や街に張り出されてあるルールから引用されたものもあります。ですので、IELTSの勉強をすればするだけ実際に使えるボキャブラリーも増えていくということです。実はこういうテストって少なくて、対策をして初めて高得点が狙えるというテストが現状は多数を占めています。TOEICなんかはまさにそうです。一点集中型。まあ、筆者もいずれ受けようとは思っていますがw
ですので、実際に使える英語力、という意味でもIELTSの勉強はする価値はあるかな、と感じます。
日本ベースの企業ではマイナーなIELTS
いくら総合英語力テストとはいえど、日本を基点とした企業の採用条件にIELTSの文字が出てくることは稀です。英語を普段使わない企業なら尚さら。ただし、海外基点のお仕事に就く際はほぼ必須と言っていいでしょう。もちろん、職種や国によって要件は違いますが、TOEFLかIELTSが要件に必ずあります。
移住まで行かなくとも、海外で就労ビザ獲得を目指す方なんかは、IELTSのスコアはあって損はないものかと思われます。もちろん、日本企業を目指す方にとっても無駄ではありません。なにせ使える英語が身につく試験勉強なんてなかなかないですからね。
1年後に再挑戦予定
今回、実際に受験してみて、より明確に自分の課題に気づくことが出来、次に向けての対策も実際に練り始めています。一方で、短期間で出来る対策でないことも確かです。そうそうスコアが1以上あがることってないですから。
今回の筆者のケースだと、例えばまったく対策も勉強もしなかったライティング。まずはこれを重点的にやりつつ、6点台を目指していたリスニングとリーディング向けの強化。そして、より高スコアを狙ってのスピーキングの対策。これらを少しずつ準備して、1年後に再挑戦してみようかと考えています。
IELTS対策をすると海外ドラマに強くなる
あと、IELTSの対策を実際にやってみると、海外ドラマや洋画は6-7割がた字幕なしで見ることもできるし、セリフが以前よりゆっくりに聞こえるという思わぬ恩恵がありましたwということはですよ。このままやり続けば、完全に字幕なしでもいけるってことですよね。
今すぐできるIELTS対策
【2017-07-23追記】
具体的にできる対策を少しあげておきます。とりわけ、お金も時間もかけずにできることです。
スマホ・タブレット・PCの設定言語を英語に
この記事をここまで読んでくださっている方が意外と多く、ありがたい限りです。海外からアクセスされている方も多いのですが、多くの方の端末の言語が日本語のままなんですね。
英語の試験を受けるのにどうして日本語環境で使ってるんですか?スマホやタブレットの設定言語を変えるのはとても簡単です。PCだってちょっと調べればすぐにできます。IELTSは特に出題も答えも英語ですから、やっておいて損はない対策の一つ。慣れるとこのほうが使いやすいですよ。
英語ニュースのネットラジオを聞く
各国のローカルニュース、世界の有名なニュースを英語で聞くというのもいいですよ。ナチュラルなスピードですし、各国の訛りで聞けるので、数を聞いていくうちに耳が慣れ始めます。有名どころのストリーミング対応サイトは以下のものがあります。
News 1130 (British Columbia,Canada)
TuneIn (Newsの欄から各国・局を選択)
他にも探せばいっぱいストリーミング対応のニュースサイトはあります。この機会に探してみてくださいね。
というわけで、IELTSの振り返り記事でした。