ちょっと前にこんなことをつぶやきました。

この10年、VSTやVSTiは本当に劇的に質が良くなりました。

そして、昔なら容量がでかい=正義、いい音だったのが、モデリングシンセがVSTiに本格的に進出してきたことで構図が変わっています。容量がでかい=正義というのはサンプリングシンセでの定石。それは今も変わりません。

簡単に説明すると、サンプリングシンセというのは、対象の楽器の音を様々な音階で、様々なベロシティで、様々な箇所の音を録音してシンセ音源とするもの。モデリングシンセというのは、対象の楽器の仕組みそのものをプログラムしちゃうというもの。

2019年現在、自身が重視するのが、軽さとプリセットの見つけやすさです。

立ち上がりが軽いのも重要ですが、複数同一の音源を立ち上げた時の動きは更に大事です。一般的にモデリングシンセはかなり立ち上がりも動作も軽いですが、最近のサンプリングシンセは読み込みもだいぶ速くなった印象です。


中でも XLN Audio の Addictive Drums 2 は優秀な子。AD自体は昔からありましたが、1の時代の音はあまり好きじゃなかったんですよね。それが2になって音の質とローディングが飛躍的に良くなりました。処理が素晴らしい。今や生ドラムの音源はほぼこの子で打ち込みしています。


生ピアノの音源。以前はKontaktの拡張音源を使っていました。開発元は様々。色々と使ってきましたが、イマイチ抜けがよろしくないものが多かった。というのも、サンプリングシンセ特有の「中抜け」を起こすんです。これがピアノを弾く自分からすると気持ち悪かった。

中抜けという表現は自分が好んで使う言葉でもあるんですが、音ってAttack – Decay – Sustain – Releaseで構成されていることが殆どです。サンプリングシンセの中にはAttackからDecayにかけるほんの0.1秒ほどでその楽器が持つ本来の周波数が消えるものが結構多くて。それを僕は中抜けと呼んでいます。

これもうーん、あれもむむむ、と何年か迷走した後にたどり着いたのが、 Pianoteq です。

先述したモデリングシンセの一つ。衝撃でした。それまで音源といえば100GB単位でストレージを削っていっていたのが、この子は関連ファイル全部の容量合わせて 70MB ほど。それでいてめっちゃ音がいい。そして!重要なとこ。中抜けしにくい。これは購入の決め手でした。

とにかくびっくりしましたよね。今まで容量使ってた自分はなんだったんだ、と。で、最近セールもきてたんで、Pianoteq用のアドオン Electric Pianos を買ったんです。これがまた弾いてて楽しいやつ。

思わず打ち込んじゃったよねー。思わずこうなっちゃう、やらずにはいられないっていうのは、音源に求める所でもあります。でもって、これは人によってバラバラ。それがまたいいんです。


サンプリングシンセだとSpectrasonicsのOmnisphere2とTrillianはやっぱりすごいな、と。

どちらもそうですが、音の圧。いやらしくない圧ね。これが素晴らしい。圧が高すぎても低すぎても、ミックスする時に浮いてしまうんですが、この子達はすっぽりハマることが多いです。ぶっちゃけサンプリングシンセの中では出力大きすぎな部類ですが、うまいこと出来てるんですよ。

音源の中には、単体で鳴らした時にすごいいいけど、混ざらないってことや、単体で鳴らしたらイマイチだけど、混ざるとそれなりってものがあります。こういう音源たちはミックスした後にどっちもイマイチになっちゃう。

となるとやっぱりSpectrasonicsすごい。

Spectrasonicsの好きな点に、業界でトップクラスに使いやすい音色ブラウザーがあります。好みの音が見つけやすいんですこれ。

今や何千のプリセット音色なんて当たり前の時代。その中で自分のニーズに合った音を探すまでの時間が長ければ長いほど「じゃあ前使ったやつでいいや」となりますが、Spectrasonicsはならない。タグ機能を始め、ジャンル、音のイメージなど色々と絞り込んでいけるんです。

しかもライブラリーが膨大。サンプル系が元の音色は多いものの、元々シンセの波形のエミュレートも結構精度が高い音源でもあるので、次期バージョンあるいは後継音源ではまた業界のゲームチェンジャーになるんじゃないか、と思っています。

自身、このシンセのパッドはもう頬ずりするくらい好き。質感がたまらんす。


他にも愛用中の音源はあるものの、書き始めたら止まらなくなってきたのでこの辺で。

Tetsuya Tanaka と申します。記事を気に入って頂けた方は、上にあるハートボタンを押して頂けると嬉しいです。プロフィール:レコーディングディレクター、作編曲家、トラックメーカーのかたわら、レースシミュレーター・フライトシミュレーターのWeb管理、日英翻訳、ドローン操縦士をやっています。滋賀出身横浜在住。WindowsとStudioOne使い / Spotifyでアルバム配信中です。僕のセレクトしたプレイリストも随時更新中してます。 => Tetsuya Tanaka on Spotify